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7話後編

無事に全員の班が決まり、待機中。
暇つぶしと言ってはなんだが、美樹ちゃんといろいろと話している。
今度は席替え。
基本は教室の中に縦6人、横6人で机を並べる。
そして、それを縦に半分、横に三等分してそれぞれを一つの班にする。
それと同じような×3のマスが黒板に大きく書かれている。
班のメンバーのうちの一人が教卓のところへいき、ジャンケンに加わる。
これがまたうまうまといちばん最初に勝ってしまう。
しかも一発で・・・。
こう上手くいくものなのかと驚き気味。
その人は迷わず真中の後ろ側を選ぶ。
理由は分からなかったが何故かそこだった。
美樹ちゃんと育人君の班はジャンケンで決められるのは後ろから2番目。
教卓の近く、真中の前をその班の人が選んだ。
ということは私のところの前か。
「美樹ちゃん、いちばん後ろ来る?」
「もちろん。1番前に来るでしょ?」
「言われなくてもそうするつもり」
「じゃあ私はいちばん後ろで皐月ちゃんは1番前ね」
「おーけー」
みんなが決まった班の場所に動き出す。
「私達もいこ」
そしてさっき決まった位置へ移動する。
「皐月ちゃん、同じ班だろ?よろしくな」
「えっうん、よろしく」
そう言うのは仁志君だ。
「そういや前に行くだろ?」
「うん、美樹ちゃんと約束したしね」
「実は俺も育人と、そういう約束を」
ということは、育人君も1番後ろに来るということか・・・。
席が近いなら話せる機会も増えるだろう。
なら、あのぎこちない時間ともおさらばか。
「俺、前に行っていいか?」
と、仁志君が他の班の人に言ったので私もそれに便乗する。
「私も」
「別に構わないけど・・・仁志、美樹ちゃんがいるのにそういうことしていいのか?」
「美樹に誘われて皐月ちゃんがそうするんだから別にいいんだって」
「そうか?まあほどほどにな」
「おう、じゃあ前へ行くか」
そう仁志君に言われて私も前へ行く。
約束通り、そこには育人君と美樹ちゃんが待っていた。
「約束通り前だよ」
「すんなりと決まった?」
「うん、一応ね」
「ならよかった」
「そっちは?」
「最初からここにいたけど別にもめなくて」
「へえ。実は仁志君も育人君と約束してたみたいで・・・」
と、そういえば育人君には挨拶ぐらいしておかないと。
せっかくこうして近い席になったわけだ。
あの朝の挨拶のこともあるし、少しは親しくなっておいたほうが無難だろう。
そう思って私から育人君に話しかける。
「あっ、育人君、よろしくね」
育人君が驚いてこっちに振り向く。
「えっ・・・あっ、どうも」
心なしか育人君の頬が赤いような気がする。
気のせいだろうか。
いくら隣人と言えども突然話しかけられたらやっぱり上がってしまうものだろうか。
「毎朝新聞とりに行ってるでしょ?私も任されてて」
「えっ、うん・・・」
相変わらず返事がぎこちない。
どうもやりにくいものだと思う。
「それで毎朝挨拶してるでしょ?それならせめてきちんと隣人としてよろしくとぐらい言いたくて」
「それは僕も前から・・・」
なんだ、そうだったのか。
なら早く言ってくれればいいのに。
「えっ、そうだったの?ならいつでも言ってくれればよかったのに」
育人君の顔がまだ赤みをおびいてるような気がする。
やはり気のせいではなく本当に赤くなっているのだろうか。
「席も近いことだし、これからよろしくね」
と、これで明日からはいままでよりも少しは楽になるだろう。
それでまた話を美樹ちゃんの方へと戻す。
「あれ皐月ちゃん、育人と話すのって初めて?」
「えっそうだけど」
「なんか育人、顔赤くなかった?」
「なんか私もそんな気がしたんだけど」
「なら育人、あれなんじゃない?」
「あれって?」
「あれっていったらあれしかないじゃない」
「だからあれってなんなの?」
「鈍いなぁ、だから育人が皐月ちゃんに惚れてるんじゃないのかって」
「えっ、育人君が?私を?何を言うかと思ったら・・・」
たしかに育人君の顔は赤いような気がしてたけど・・・。
あれって単に上がっているんじゃなかったの?
「それはいくらなんでもないんじゃない?」
「そんなことないでしょ。私と話しているときは普通に話してたのに、皐月ちゃんと話しているときは口数少なかったでしょ?」
「たしかに・・・」
それは私も気にはなってはいたけど。
「それはそういう意味なんだって」
「単にあがってるんじゃないの?」
「好きだからあがってるんでしょ」
「えっ、そんなこと絶対無いってば~」
「まっ、いいか。そのうちわかるだろうからね」
美樹ちゃんが笑って言う。
なんだか先が思いやられそうだ。
これからこうして幾度と無くこの話題を出してくるのは目に見えている。
でも、いくらなんでもそんなことは・・・。
自分でも気付かないうちに心臓が高鳴っていた。
こうして、この学校での初めての席替えも無事(?)に終わったのだった。
とりあえず明日の朝は挨拶ぐらいはできるだろうけど・・・。
でももし美樹ちゃんが言うとおりだったとしたら・・・。

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プロフィール
HN:
凛楓
年齢:
31
性別:
男性
誕生日:
1992/11/05
職業:
バリバリの高1です!
趣味:
小説の読み書き、読書、TVゲーム等々
自己紹介:
自分で書いてて未熟と思う点が多数過ぎますが多めに見てください^^;
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