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第13話
その30分もあと5分になっていた。
そろそろかな。
あと4分になったころ、私は家を出た。
空は快晴とは行かないものの晴れている。
雲が所々に何かしら形を作り漂っている。
風もそんなにきついというわけではない。
ちょうど心地良いくらいの風が吹いている。
昨日は全くの曇り空で、どうも好かない天気だった。
今日は、アウトドア日和だとでも言うのだろうか。
育人君の家のドアが開く。
「お待たせ」
と、朝と何ら変わりない喋り方で育人君が言う。
「さあ、いこ」
「うん」
自分で誘っておいたのにいざとなるとやはり緊張する。
早速学校へ向けて歩む。
すぐ隣に育人君がいる。
何故かそれだけでドキドキする。
時が静かに過ぎるようなそんな感じがする。
風が左側から右側に抜ける。
仁志君や美樹ちゃんが言うように育人君は多分私のことが好きなのだろう。
それは育人君を見ても分かる。
昨日にしても一昨日にしてもああやって上がっているし今もそうだ。
でもそれで、もし育人君が私に告白したとしても・・・。
それにしてもこうして一緒に歩いてたとしても向こうから話しかけてくることは一向にない。
どうやら私が会話を繋ぐしかなさそうだ。
そういえば・・・育人君なら美樹ちゃんに幾ら訊いても答えてくれなかったあのことについて知っているかもしれない。
そう思って尋ねてみる。
「今度、遊園地に行くでしょ?」
「うん・・・」
緊張しているのかまるで昨日に戻ったかのような感じ。
「それでさ、何処の遊園地に行くとか何も聞いてない?」
「いや、全然・・・」
「じゃあなんで遊園地になったんだとかも?」
「それも聞いてないけど・・・」
育人君も知らないのか・・・。
これでは遊園地に行った後でないと美樹ちゃんも答えてくれそうにない。
何故今、こうして4人で行くのか・・・。
理由としては『なんとなく』かもしれないけど、それが答えだったとしてもその理由が知りたかった。
それに何処の遊園地に行くのか。
近くにあるのはあの遊園地。
あそこが1番近いけれども県内には他にも幾つかある。
どこに行くのかがはっきりしていれば何に乗ろうとか決められるのに。
また会話が途切れる。
どうにか繋がないと場が持たない。
そこでささやかな疑問をぶつけてみる。
「美樹ちゃんと仁志君ってさ、どういう関係なの?」
「えっ、あの2人?付き合ってるんじゃないかな・・・たぶん」
「何時(いつ)から?」
「それはよく知らないけど・・・前からあんな感じ・・・」
転勤続きで何処の学校にも定着できなかった私にとって友達は一時的なもの。
せっかく仲のいい友達ができたとしてもすぐに自分が転校してしまう。
彼氏なんてもっての他ですぐに引っ越すことは目に見えていたので告白はするにできなかった。
もっとも告白されたことはないわけではないけども転校のおかげですぐにわかれてしまうことが多かった。
そういう私にとって仁志君と美樹ちゃんの2人の関係は羨ましい限りだった。
だからずっとあんな関係でいれればそれは私にとっても羨ましいに越した事はない。
「ああいう関係ってさ、うらやましいよね」
と、青い空を見て言う。
「えっ・・・う、うん・・・」
「でもさ、私はそういう関係になりかけてもすぐに引っ越しちゃうんだよね・・・」
こうして育人君が私のことが好きだったとしてもその気持ちに答えることができないのが悲しかった。
「・・・」
しばらく沈黙が続いた。
お父さんは『ここにはいままでよりも少し長くいられる』と言っていた。
せめてそれだけでも育人君に言っておこう。
「でもここにはしばらくいられそうだから・・・」
でもそれが長くても結局いつかは引っ越す事になるのは目に見えている。
それでも私は育人君から言うのを待とうとそう思った。
それからあとは学校に着くまで一言も言葉を交わす事はなかった。
そろそろかな。
あと4分になったころ、私は家を出た。
空は快晴とは行かないものの晴れている。
雲が所々に何かしら形を作り漂っている。
風もそんなにきついというわけではない。
ちょうど心地良いくらいの風が吹いている。
昨日は全くの曇り空で、どうも好かない天気だった。
今日は、アウトドア日和だとでも言うのだろうか。
育人君の家のドアが開く。
「お待たせ」
と、朝と何ら変わりない喋り方で育人君が言う。
「さあ、いこ」
「うん」
自分で誘っておいたのにいざとなるとやはり緊張する。
早速学校へ向けて歩む。
すぐ隣に育人君がいる。
何故かそれだけでドキドキする。
時が静かに過ぎるようなそんな感じがする。
風が左側から右側に抜ける。
仁志君や美樹ちゃんが言うように育人君は多分私のことが好きなのだろう。
それは育人君を見ても分かる。
昨日にしても一昨日にしてもああやって上がっているし今もそうだ。
でもそれで、もし育人君が私に告白したとしても・・・。
それにしてもこうして一緒に歩いてたとしても向こうから話しかけてくることは一向にない。
どうやら私が会話を繋ぐしかなさそうだ。
そういえば・・・育人君なら美樹ちゃんに幾ら訊いても答えてくれなかったあのことについて知っているかもしれない。
そう思って尋ねてみる。
「今度、遊園地に行くでしょ?」
「うん・・・」
緊張しているのかまるで昨日に戻ったかのような感じ。
「それでさ、何処の遊園地に行くとか何も聞いてない?」
「いや、全然・・・」
「じゃあなんで遊園地になったんだとかも?」
「それも聞いてないけど・・・」
育人君も知らないのか・・・。
これでは遊園地に行った後でないと美樹ちゃんも答えてくれそうにない。
何故今、こうして4人で行くのか・・・。
理由としては『なんとなく』かもしれないけど、それが答えだったとしてもその理由が知りたかった。
それに何処の遊園地に行くのか。
近くにあるのはあの遊園地。
あそこが1番近いけれども県内には他にも幾つかある。
どこに行くのかがはっきりしていれば何に乗ろうとか決められるのに。
また会話が途切れる。
どうにか繋がないと場が持たない。
そこでささやかな疑問をぶつけてみる。
「美樹ちゃんと仁志君ってさ、どういう関係なの?」
「えっ、あの2人?付き合ってるんじゃないかな・・・たぶん」
「何時(いつ)から?」
「それはよく知らないけど・・・前からあんな感じ・・・」
転勤続きで何処の学校にも定着できなかった私にとって友達は一時的なもの。
せっかく仲のいい友達ができたとしてもすぐに自分が転校してしまう。
彼氏なんてもっての他ですぐに引っ越すことは目に見えていたので告白はするにできなかった。
もっとも告白されたことはないわけではないけども転校のおかげですぐにわかれてしまうことが多かった。
そういう私にとって仁志君と美樹ちゃんの2人の関係は羨ましい限りだった。
だからずっとあんな関係でいれればそれは私にとっても羨ましいに越した事はない。
「ああいう関係ってさ、うらやましいよね」
と、青い空を見て言う。
「えっ・・・う、うん・・・」
「でもさ、私はそういう関係になりかけてもすぐに引っ越しちゃうんだよね・・・」
こうして育人君が私のことが好きだったとしてもその気持ちに答えることができないのが悲しかった。
「・・・」
しばらく沈黙が続いた。
お父さんは『ここにはいままでよりも少し長くいられる』と言っていた。
せめてそれだけでも育人君に言っておこう。
「でもここにはしばらくいられそうだから・・・」
でもそれが長くても結局いつかは引っ越す事になるのは目に見えている。
それでも私は育人君から言うのを待とうとそう思った。
それからあとは学校に着くまで一言も言葉を交わす事はなかった。
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凛楓
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32
性別:
男性
誕生日:
1992/11/05
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バリバリの高1です!
趣味:
小説の読み書き、読書、TVゲーム等々
自己紹介:
自分で書いてて未熟と思う点が多数過ぎますが多めに見てください^^;
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