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引越しすることが決まってそれを育人君にどう告げようかと悩んで・・・。
それで昨日の昼休みにああしてそのことを告げたわけで。
でも育人君は思いのほか気楽な感じでそれほどにまでは気にしていなかったみたい。
ある意味それもショックなんだけど。
少しくらいあの朝の時間、気にかけてくれてもいいじゃないかってそうも思う。
まあ確かにいつまでも沈んでいられたら困るけど・・・。
でもだからと言って気にしなさ過ぎるのも・・・またどうかと思う。
そんな二つの思いが交差しあって、なんとも言えない気分になる。
ともかく・・・今日の朝は例の約束の話なんかしてすっかり盛りあがっていた。
育人君はあの驚きようにしては随分気楽な感じで気にかけていそうな感じは全然なかった。
そればかりかその約束で私の新居に来ることを楽しみにしてるみたい。
それはそれで一安心で、始めからどう育人君に言おうかと悩むことは意味がないとでもいいたげな感じだった。
なんだかなぁ・・・。
それでその約束の話についつい没頭してしまって、すっかり時間を忘れてしまい遅刻をしそうなところだった。
まあそれほど育人君とは仲が良くて・・・。
でも昨日のあれから美樹ちゃんと仁志君はなんだか仲が悪い。
美樹ちゃんに便乗して仁志君も私の新居に来たいと言い出して、それに美樹ちゃんが焼きもち(?)を焼いて・・・結果、喧嘩(?)になっ
た。
あれから昼休みの終わり、チャイムが鳴るまで2人ともずっと揉めていた。
それはまたいつも仲のいい2人だったものだからこうも揉め事なんかがあるとそれが噂になるのは必然的。
勿論周囲からも物珍しそうに見られるわけで、一種の見物と化していた。
その場に立ち合わせて、しかも揉める原因は私の新居のことだから、どうも私には2人を仲直りさせる義務があるような気がする。
でも私が2人と居た時間はまだほんの2ヶ月ほど。
小学生以前からずっと一緒に居るはずの育人君でさえも過去にこう言うことが無かったらしくどうすればいいか悩んでいるらしい。
昼休み、とりあえず何故こうなったかとそのわけを訊こうと思って早速訊いてみる。
「美樹ちゃん、昨日のことなんだけど・・・」
「ああ昨日の・・・あれ?」
「う、うん」
「そういやまだ日にち決めてなかったよね?」
そりゃ確かに日にちは決めてないけど・・・。
「いや、そうじゃなくて・・・仁志君のことなんだけど」
「ん・・・あれはさ・・・その、あれよ」
「あれじゃあ分からないんだけど・・・」
「だって仁志、突然あんなこと言い出すからさ。それも育人より先に」
「育人君より先にって・・・?」
「え、いや、育人よりも先に仁志が皐月ちゃんと約束をとりつけると育人の立場、無くなっちゃうでしょ?」
「う、うん」
「だから・・・ね。それに・・・」
「それに?」
「仁志って実際そんなに器用じゃないから多分二股とかそんなのはかけられないって思うんだけど・・・」
二股って美樹ちゃんと・・・私!?
幾ら仁志君が器用だったとしても、私が育人君を置いて仁志君と付き合うなんてことは・・・たぶんないだろう。
それに仁志君と私が付き合うってことは美樹ちゃんからも、とるってことになるし。
そんな恋のライバルとかそう言う上にある友情じゃあるまいし・・・。
「私は万一、仁志に二股とかかけられたとしても、それを取り戻すのは簡単なんだけどね」
簡単・・・ってそのときは一体何をするつもり・・・。
「でもそうなると育人の立場がまるでないじゃない?ま、私が代わりに付き合ってもいいんだけどね」
私が付き合っても・・・って、前提がすっかり私が仁志君と付き合ってるってことになってる・・・。
「でも育人、立ち直るのに時間かかるから・・・それに、そうなったらとり返さなきゃ気が済まないと思うしね」
だから私は幾ら仁志君が家に1人で来たとしても仁志君と付き合う気なんて更々ないって。
「だから私が代わりに付き合おうかなんて言っても育人は乗り気にはならないんじゃないかなぁ・・・」
「なんで私が仁志君と・・・」
「あくまで、か・て・い。分かる?」
「そりゃ、分かるけど・・・でも・・・ねぇ?」
「まあそんなに深く考えないの。だから私は育人に、仁志よりも先に皐月ちゃんに言う機会を作ろうと思ったんだって」
私はすっかり焼きもちを焼いているのかと思っていたんだけど・・・。
「でも仁志、そのことに気付いていると思う?」
「さぁ・・・」
「ああ見えて仁志も結構鈍感だからなぁ、分かってないかもしれないね」
なんて、苦笑いしてる。
もしかしてある意味、1番賢いのは美樹ちゃんだったりして・・・。
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つかれたんだよ、バカヤロー
凛楓です
最近頭が痛いです
なのであとがきもなし!